社長一族の役員報酬で利益が圧縮されている会社の株式はどう評価されるか

この記事の位置付け
本記事は、配当を受け取れない少数株主の立場から、社長一族の役員報酬によって利益が圧縮されている会社の株式が、評価方法ごとにどのように扱われるかを解説するものです。非上場株式・少数株式の問題点の総論、配当還元方式の計算方法、収益還元法そのものの仕組み、会計帳簿の閲覧謄写の請求の手続の詳細、及び株主代表訴訟の要件と費用については、次に掲げるページに整理しています。
非上場株式・少数株式トラブルの全体像は少数株主が非上場株式を会社に買い取ってもらう方法 手続と価格をご覧ください。あわせて、配当がない同族会社で少数株主が考えるべきこと、配当がない会社の少数株式は価値が低いのか、非上場株式の収益還元法とは、会計帳簿閲覧謄写請求権は株式売却交渉にどう関係するか、株主代表訴訟を弁護士に依頼するとき、会社が提示する株式買取価格はどのように検証するかもご覧ください。
相続又は出資によって同族会社の株式を取得され、数パーセントから20%程度を保有しておられる。しかし何十年にもわたって剰余金の配当を一度も受け取ったことがない。他方で、社長とその一族だけが高額の役員報酬を受け取っている。会社に株式の買取りを求めても、利益が出ていないことを理由に、驚くほど低い金額しか示されない。本記事は、このような場面に置かれた少数株主の皆様に向けて書いています。
ここで生じる疑問は、おおむね次の3つに整理されます。配当をしないこと自体が違法なのか。役員報酬が高いことを理由に、株主として何かを請求することができるのか。そして、役員報酬によって圧縮された利益は、株式の価値の算定においてどのように扱われるのか。結論から申し上げます。配当をしないこと自体は直ちに違法とはなりませんが、職務の内容に見合わない役員報酬によって利益が圧縮されている場合、株式の価値の算定においては当該報酬を正常な水準に引き直した正常収益力によるべきであり、あわせて取締役の責任を追及し得る立場に立つことが、株式を正当な価格で買い取らせるための材料となります。
本記事が扱う場面を明示します。本記事は、会社の利益が支配株主へ移転する経路のうち、役員報酬という1点に絞って論じます。非上場株式の問題点の総論、配当がないこと自体と株式の価値との関係の一般論、配当還元法の計算方法、収益還元法そのものの仕組み、閲覧謄写の請求の手続の詳細、株主代表訴訟の要件と費用、及び社長の刑事責任については、いずれも当サイトの別の記事において論じていますので、本文中の該当箇所からご案内します。社長個人又はその資産管理会社との取引については、経路の一つとして位置付けを示すにとどめます。
配当をしないこと自体は違法ではありません
最初に、多くのご相談者が最も気にしておられる点をはっきりさせておきます。配当が行われないこと自体が違法かどうか、という点です。ここを誤って理解しますと、その後の主張の組立て全体が崩れますので、順を追って述べます。
剰余金の配当は株主総会の決議によって行われます
剰余金の配当は、株主総会の決議によって行われます(会社法第454条第1項)。会社に分配可能額があり、利益が積み上がっていたとしても、株主総会が配当の決議をしなければ、配当は行われません。取締役会が配当を提案しない限り、株主総会において配当の議案が上程されることもありません。同族会社において議決権の過半数を支配株主が保有している以上、この決議の帰趨は支配株主の意思によって決まります。
したがって、「利益が出ているのに配当をしないのは違法ではないか」というご質問に対する法律上の答えは、「配当をしないという一事をもって直ちに違法とはなりません」というものです。会社が獲得した利益を内部留保として蓄積するか株主に分配するかは、原則として会社の経営判断に委ねられているからです。
決議がされるまで配当を請求する具体的な権利は生じません
株主は剰余金の配当を受ける権利を有しますが、この権利は、株主総会の配当の決議によって初めて具体的な金銭債権となります。決議がされるまでの段階では抽象的な地位にとどまり、会社に対して一定額の支払を請求することはできません。裁判所に対して配当を命じる判決を求めることも、原則としてできません。少数株主の皆様にとって最も納得しがたい部分ですが、法律上の枠組みとしては動かしがたいものです。
それでも「何もできない」わけではありません
しかし、配当をしないことが違法でないということと、少数株主が何もできないということとは、全く別の事柄です。問題の所在は、配当がないことそれ自体にあるのではなく、会社が獲得した利益がどこへ向かっているかにあります。利益が内部留保として会社に残り、会社の純資産が厚くなっているのであれば、その厚みは株式の価値として株主に帰属しています。ところが、利益が配当以外の経路で支配株主の側へ流出しているのであれば、その分だけ株式の価値は失われています。
すなわち、配当がないことは、それ自体が争いの対象なのではなく、利益の流出を疑うべき徴表として位置付けられます。流出の有無と規模を確かめ、流出が認められるのであれば、その流出を前提としない価値によって株式を買い取らせる。これが本記事の示す道筋です。配当が行われていない理由は一様ではなく、事業上の必要から内部留保を厚くしている会社もありますので、配当がないことと株式の価値との関係の一般論については、配当がない会社の少数株式は価値が低いのか及び配当がない同族会社で少数株主が考えるべきことをご覧ください。
利益が支配株主へ移転する3つの経路
配当が行われていない同族会社において、会社の利益が支配株主の側へ移転する経路は、実務上おおむね3つに整理されます。まず全体像を示し、その上で、それぞれについて何を見れば移転の有無が分かるかを述べます。本記事が正面から扱うのは、このうち第1の経路である役員報酬です。
職務の内容に見合わない役員報酬
最も分かりやすく、かつ最も金額の大きい経路です。社長及びその配偶者、子、兄弟が取締役又は監査役に名を連ね、それぞれに役員報酬が支給されます。役員報酬は会社の費用ですので、支給額が大きいほど会社の利益は小さくなります。利益が小さくなれば、配当をしない理由が形式的には整い、株式の買取価格を低く抑える根拠にもなります。
社長個人、その親族又は資産管理会社との取引
社長個人が所有する不動産を会社が相場を超える賃料で借りる、社長の資産管理会社に業務委託料を支払う、社長個人に対して無利息又は低利で貸し付ける、といった取引です。これらは会社と取締役との利益が相反する取引に当たり得ますので、取締役会設置会社では取締役会の、そうでない会社では株主総会の承認を要します(会社法第356条第1項第2号及び第3号並びに第365条第1項)。承認を欠く取引、又は承認を経ていても取引条件が著しく不相当な取引は、責任追及の対象となり得ます。本記事は、この経路については位置付けを示すにとどめます。
私的な支出の経費処理
車両の購入及び維持費、交際費、旅費等が、実質的には社長個人の生活費であるにもかかわらず、会社の経費として処理されている場合です。1件あたりの金額は小さいことが多いものの、長期間にわたって積み重なると相当な金額になります。また、この経路の存在は、会社の経理が支配株主の私的な便宜のために用いられていることを示す事情として働きます。
3つの経路のいずれに当たるかを見分ける着眼点
3つの経路は、見るべき資料が異なります。次の対照表のとおりです。どの資料をどの手続によって入手するかは、後述の大見出しにおいて述べます。
| 流出の経路 | 会社の帳簿における現れ方 | 見るべき資料 |
|---|---|---|
| 役員報酬 | 販売費及び一般管理費の役員報酬又は役員給与の科目。損益計算書には総額しか現れないことが通例です | 役員報酬の内訳を記載した明細、株主総会議事録及び取締役会議事録、法人税の確定申告書の別表、役員に対する報酬等の支給の状況を記載した書面 |
| 関連当事者との取引 | 地代家賃、支払手数料、業務委託費、外注費、短期貸付金、長期貸付金の各科目 | 総勘定元帳の該当科目、賃貸借契約書及び業務委託契約書、取締役会議事録における利益相反取引の承認の記録、関連当事者との取引に関する注記 |
| 私的な支出の経費処理 | 車両運搬具、旅費交通費、交際費、消耗品費の各科目 | 総勘定元帳の該当科目、証憑書類、固定資産台帳 |
実務上、最初に着手すべきは役員報酬です。金額が最も大きく株式の価値への影響が明確であること、持株比率の要件を満たさなくても閲覧を請求することができる資料から手掛かりが得られること、及び同業同規模の会社の水準という外部の比較基準が存在することが、その理由です。なお、この3つの経路と、それぞれについて当事務所が採り得る手段の一覧は、配当がゼロで、社長一族の役員報酬に吸い上げられてお困りではありませんかのご案内にも掲げています。
役員報酬はどこまで許されるのか
役員報酬による利益の圧縮を主張する以上、その報酬がどのような場合に問題となるのかを正確に押さえる必要があります。ここでは、報酬の額がどのように決定されるべきものかという手続の面と、決定された額の当否がどこまで問われ得るかという実体の面とを、順に述べます。あわせて、実務上しばしば混同される法人税法上の取扱いとの区別を明らかにします。
報酬の額の決定の手続
取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として会社から受ける財産上の利益については、定款に定めていないときは、株主総会の決議によって定めます(会社法第361条第1項)。実務では、株主総会において取締役全員の報酬の総額の上限のみを定め、各取締役への配分は取締役会又は代表取締役に一任する扱いが広く行われています。そのため、議事録には総額の上限しか記載されず、誰にいくら支払われているかは分かりません。
まず確認すべきは、総額の上限を定める決議が実際に存在するか、現に支給されている総額がその上限の範囲内に収まっているか、という点です。同族会社では、上限の決議が数十年前に一度行われたきりで、その後の支給額が上限を超えている例が見受けられます。決議を欠く支給、又は決議の限度額を超える支給は、それ自体が会社法第361条第1項に反する支給であり、返還を求める根拠となります。
手続を経ていれば額の当否は問われないのでしょうか
株主総会の決議を経ていることは、支給の手続が適法であることを意味しますが、支給された額が会社に対する関係で常に正当であることまでを意味するものではありません。取締役は会社との間で委任の関係に立ち(会社法第330条)、善良な管理者の注意をもって職務を行う義務を負います(民法第644条)。自らの職務の内容に見合わない額の報酬を自らに配分することは、この義務に照らして問題となり得ます。
もっとも、ここは慎重に述べる必要があります。役員報酬が高額であることのみをもって、直ちに違法となるものではありません。報酬の額は、会社の規模、業績、その役員が現に果たしている職務の内容、負っている責任及びリスク、同種同規模の会社における水準など、多くの事情を総合して評価されるべきものです。中小企業の代表者が金融機関に個人保証を差し入れている場合、その負担は報酬を正当化する事情として主張されます。したがって、争点は「高いかどうか」ではなく、「職務の内容に見合っているかどうか」に置かれます。
職務の内容に見合わない支給が問題となる典型
実務上、職務の内容に見合わない支給として問題としやすいのは、次のような場合です。いずれも、報酬の額の当否を直接に論じるのではなく、職務の実在そのものを問う形をとる点に特徴があります。
- 取締役として登記されているものの、出社の実績がなく、業務に関与した形跡もない親族に対して報酬が支給されている場合
- 従業員としての勤務実態しかない親族に対して、従業員の給与水準を大きく超える役員報酬が支給されている場合
- 会社の業績が悪化し、従業員の賞与が減額され、又は取引先への支払が遅延しているにもかかわらず、役員報酬のみが維持され、又は増額されている場合
- 株主総会の決議による総額の上限を超えて支給されている場合、又は上限を定める決議自体が存在しない場合
- 退任した役員に対して、職務を離れた後も継続して報酬名目の支払が行われている場合
同業同規模の水準との対比の仕方
「職務の内容に見合わない」という主張を裏付けるには、比較の基準が必要です。実務では、業種別及び売上規模別の平均値を示した役員報酬の統計と、当該会社の従業員の給与水準との対比を用います。ただし、統計の平均値は分布の中心を示すにすぎず、個別の会社の適正額を定めるものではありません。平均値を10%上回ることを問題とするのではなく、数倍から10倍に及ぶ説明のつかない乖離を対象とするのが現実的です。
法人税法上の損金不算入と、会社法上の株主の救済とは別の問題です
ここで、実務上しばしば混同される2つの制度を峻別しておきます。混同したまま主張を組み立てますと、相手方から的確に反論を受けることになります。
| 法人税法上の過大役員給与 | 会社法上の株主の救済 | |
|---|---|---|
| 根拠となる規定 | 法人税法第34条第2項。役員に対して支給する給与の額のうち不相当に高額な部分の金額は、所得の金額の計算上、損金の額に算入しないものとされています | 会社法第361条第1項(報酬の額の決定の手続)、会社法第330条及び民法第644条(善管注意義務)、会社法第423条第1項(任務を怠ったことによる損害賠償責任)、会社法第847条(責任を追及する訴えの提起の請求) |
| 誰と誰との間の問題か | 会社と課税庁との間の、課税所得の計算の問題です | 会社と取締役との間の、損害賠償の問題です。株主はこれを会社のために追及する立場に立ちます |
| 生じる効果 | 損金に算入されず、会社の課税所得が増え、会社に追加の法人税等の負担が生じます。支給を受けた役員が会社に返還する義務が生じるわけではありません | 任務を怠ったと認められる場合に、取締役が会社に対して損害を賠償する義務を負います。賠償金は会社に入り、会社の財産が回復します |
| 株主にとっての意味 | 直接に株主を救済する制度ではありません。ただし、課税庁が不相当に高額であると判断した事実は、報酬が職務の内容に見合っていないことをうかがわせる事情として働き得ます | 株主が現に用いることのできる制度です。会社の財産の回復を通じて、株式の価値に反映されます |
したがいまして、「税務調査で否認されたのだから会社法上も違法である」という主張は成り立ちません。逆に、「税務上は損金として認められているのだから会社法上も問題がない」という会社側の反論も、そのままでは成り立ちません。両者は判断の枠組みも目的も異なるからです。もっとも、税務上の否認の有無は報酬の相当性を判断する上での有力な事情ですので、法人税の確定申告書は確認の対象に含めます。
株式の価値の算定において役員報酬はどう扱われるか
ここからが本記事の中心です。役員報酬による利益の圧縮は、株式の価値の算定において、どの算定方法を用いるかによって、扱いが大きく異なります。会社側が提示する算定書がどの方法に依拠しているかを確かめ、その方法において役員報酬の修正が行われているかどうかを点検することが、交渉の出発点となります。
収益に着目する算定方法における正常収益力への引き直し
会社が将来にわたって生み出す利益又は現金収支に着目して株式の価値を算定する方法には、収益還元法とDCF法(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法)とがあります。いずれの方法においても、算定の基礎となるのは、会社の正常収益力、すなわち、その会社が通常の事業活動によって継続的に生み出すことのできる利益の水準です。
ここで問題となるのが、決算書に現れた利益をそのまま用いてよいか、という点です。決算書上の利益は、実際に支給された役員報酬を費用として控除した後の数字です。その報酬が職務の内容に見合わない水準にあるのであれば、決算書上の利益は会社の本来の収益力を過小に表しています。そこで、過大な部分を利益に加算し直し、正常な水準の報酬を控除した場合の利益に置き換えます。この操作を正常収益力への引き直し、又はノーマライゼーションと呼びます。
この引き直しの対象となるのは、役員報酬だけではありません。関連当事者との取引における相場との差額、及び私的な支出の経費処理額も、同じ考え方で調整の対象となります。ただし、本記事は役員報酬に絞りますので、他の項目には立ち入りません。なお、正常収益力の把握の一般的な考え方、資本還元率の設定、及び他の算定方法との違いについては、非上場株式の収益還元法とはにおいて論じていますので、そちらをご覧ください。本記事は、役員報酬という個別の修正項目のみを扱います。
修正を行った場合と行わない場合とで、算定結果はどれほど変わるのか
抽象的な説明では実感が伴いませんので、数値例を示します。次の数値は、説明のために設定した仮定の数値であり、実在の会社の数値ではありません。また、この試算は前提条件を単純化したものであり、実際の事案において同様の結果が得られることを保証するものではありません。資本還元率及び法人税等の実効税率は、説明の便宜のために一定の値を仮に置いたものです。
| 項目 | 修正を行わない場合 | 役員報酬を正常な水準に引き直した場合 |
|---|---|---|
| 税引前利益 | 2,000万円 | 8,000万円 |
| 役員報酬の総額(社長及びその一族4名分) | 1億2,000万円 | 6,000万円(同業同規模の水準として仮に置いた額) |
| 引き直しによる加算額 | なし | 6,000万円 |
| 法人税等の実効税率(仮定) | 30% | 30% |
| 税引後利益 | 1,400万円 | 5,600万円 |
| 資本還元率(仮定) | 10% | 10% |
| 株式の価値の算定結果(会社全体) | 1億4,000万円 | 5億6,000万円 |
| 持株比率10%に対応する金額 | 1,400万円 | 5,600万円 |
この設例では、引き直しを行うか否かによって、会社全体の算定結果が1億4,000万円から5億6,000万円へと4倍に変わります。持株比率10%の株主にとっては、1,400万円と5,600万円との差、すなわち4,200万円の差です。会社側が「利益が出ていないので高くは買えません」と述べるとき、その「利益」が引き直し前の数字であるならば、この差がそのまま交渉の対象になります。
DCF法においても、考え方は同じです。DCF法は将来の予測に基づく方法ですが、その予測は過去の実績を出発点として作成されます。会社側の算定書が、現在の高額な役員報酬が将来にわたって同額で継続することを前提として将来の損益を予測しているのであれば、その前提こそが検討の対象です。支配株主が交代した後も同じ水準の報酬が支払われ続けるという前提には、合理的な根拠が必要だからです。
配当還元法において、配当がないことはどう扱われるのか
配当還元法は、株主が現に受け取る配当に着目して株式の価値を算定する方法です。配当が一度も行われていない会社にこの方法を単独で適用しますと、株式の価値はほとんど算出されません。会社側が低い金額しか示さないとき、その根拠として配当還元法が用いられている例は少なくありません。
しかし、配当が行われていないという事実は、会社に分配することのできる利益が存在しないことを意味するものではありません。本記事が述べてきたとおり、利益は配当以外の経路で支配株主に移転している可能性があります。配当を行うか否かを決めているのが支配株主自身である以上、支配株主の意思によって作り出された「配当ゼロ」という状態を、そのまま株式の価値の算定の基礎に据えることには問題があります。そこで、配当還元法のみによるのではなく、収益に着目する方法と併用し、又は両者を加重して平均する扱いが行われます。なお、配当還元方式の計算方法そのもの、及び1株当たり2円50銭とみなす扱いについては、別の記事に譲ります。
純資産に着目する算定方法における影響は限定されます
純資産に着目する算定方法は、貸借対照表上の資産及び負債を基礎とし、必要に応じて時価に評価し直して、純資産の額から株式の価値を算定するものです。この方法においては、過大な役員報酬の影響は、収益に着目する方法に比べて限定的です。理由は明快です。過去に支給された報酬は、既に会社の外へ流出しており、その分だけ利益剰余金が小さくなった結果が、現在の純資産の額に反映されているからです。過去の流出を純資産の額に足し戻すという操作は、原則として行いません。
もっとも、次の2つの局面では検討の余地があります。第1に、社長個人又はその資産管理会社に対する貸付金が資産に計上されている場合です。回収の見込みが乏しい貸付金は評価を減額すべきものですが、逆に、返済を受けるべき債権として実質的に価値を有する場合もあります。第2に、過大な報酬の支給について取締役の損害賠償責任が認められるのであれば、会社はその賠償を求める債権を有することになり、これは会社の資産となり得ます。ただし、責任の存否及び回収の可能性が確定していない段階でこれを資産に計上することには困難が伴いますので、買取価格の増額を求める交渉上の材料として用いるのが実際的です。
会社側の算定書が引き直しを行っていない場合の指摘の仕方
会社が算定書を提示してきた場合、次の順序で点検します。第1に、どの算定方法を採用したか、併用しているのであれば加重の割合はどれだけかを確かめます。第2に、収益に着目する方法を採用しているのであれば、正常収益力への引き直しを行った項目の一覧を求めます。第3に、役員報酬がその一覧に含まれていない場合には、含めなかった理由の説明を求めます。第4に、含めているのであれば、正常な水準としていくらを用いたか、その根拠は何かを求めます。
この照会は書面によって行い、回答も書面によって求めます。算定書が「役員報酬は株主総会の決議を経ているため修正を行わない」という理由を挙げてきた場合には、決議の存在は手続の適法性の問題であって、職務の内容に見合っているかどうかとは別の問題であることを指摘します。買取価格の検証の手順の全般については、会社が提示する株式買取価格はどのように検証するかをご覧ください。
裁判所は役員報酬による利益の還元をどのように評価したのか
当事務所が決定書の原典を保有する裁判例のうち、本記事の主題に最も近いものは、大阪地方裁判所平成25年1月31日決定(平成22年(ヒ)第54号、第62号 株式売買価格決定申立事件)です。同決定は、同族の株主でもある取締役に対して役員報酬として多額の支払が行われ、剰余金の配当によることなく役員報酬によって同族関係者へ利益が還元されていたという事実関係の下で、株式の売買価格の算定に当たり、収益還元法を80%、配当還元法を20%の割合で加重して平均した価格を相当としたものです。以上は、判示の要旨を当方の言葉で述べたものです。
この判断の実務上の意味は2つあります。第1に、配当が行われていない場合に、配当還元法のみによって株式の価値を算定することは相当でないと判断され得ることです。第2に、利益が役員報酬という経路で同族関係者に還元されているという事情が、収益に着目する方法に大きな比重を置く理由として考慮され得ることです。少数株主の側からは、この2点を交渉における主張の柱に据えることができます。
また、収益に着目する方法が実際に採用された事例として、東京地方裁判所平成20年1月22日決定(平成19年(ヒ)第134号 株式売買価格決定申立事件。金融・商事判例1295号55頁)があります。同決定は、収益還元方式を採用して株式の売買価格を定めたものです。もっとも、いずれの決定も個別の事実関係を前提とするものですので、同種の事案において常に同じ判断が示されることを意味するものではありません。
修正の根拠となる資料をどのように取得するか
正常収益力への引き直しを主張するには、役員報酬の実額が必要です。損益計算書には販売費及び一般管理費に含めて表示され、内訳が分からない会社も少なくありません。そこで、株主としての権利を用いて資料を取得します。以下では何を求めるかを具体的に述べます。請求の手続の進め方及び会社が拒んだ場合の裁判上の手段の詳細については、会計帳簿閲覧謄写請求権は株式売却交渉にどう関係するかをご覧ください。
持株比率の要件の有無によって、求めることのできる資料が分かれます
最初に確認すべきは、ご自身の持株比率です。求めることのできる資料の範囲が、これによって分かれるからです。
| 求める資料 | 根拠となる規定 | 持株比率の要件 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 計算書類、事業報告及びこれらの附属明細書 | 会社法第442条第3項 | ありません。株主であれば足ります | 貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表、事業報告及びこれらの附属明細書。会社の営業時間内であればいつでも閲覧及び謄本の交付を請求することができます |
| 株主総会議事録 | 会社法第318条第4項 | ありません。株主であれば足ります | 報酬の総額の上限を定める決議の有無及びその内容、決議の年月日を確認します |
| 会計帳簿又はこれに関する資料 | 会社法第433条第1項 | 総株主の議決権の100分の3以上又は発行済株式の100分の3以上 | 総勘定元帳、仕訳帳、補助簿及びこれらの基礎となる資料。役員報酬の個人別の内訳を確認することができます |
ここで注意していただきたいのは、計算書類及びその附属明細書の閲覧には持株比率の要件がないという点です。持株比率が100分の3に満たない場合であっても、この経路によって相当の情報を得ることができます。附属明細書には販売費及び一般管理費の明細が記載されるのが通例であり、そこに役員報酬の総額が独立の科目として現れます。議事録によって決議上の上限を、附属明細書によって現実の支給総額を確認し、両者を対比すれば、限度額を超える支給の有無が判明します。
会計帳簿の閲覧謄写の請求において何を求めるか
持株比率が100分の3以上である場合には、会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧謄写を請求することができます(会社法第433条第1項)。この請求においては、請求の理由を明らかにしなければなりません。理由の記載が不十分であることは、会社が請求を拒む口実として最も多く用いられるものですので、この点は特に注意を要します。
求める対象は、次のように、科目と期間を特定して列挙します。「会計帳簿一切」といった包括的な記載は避けます。
- 総勘定元帳のうち役員報酬又は役員給与の科目に係る部分(直近5事業年度分)
- 役員報酬の個人別の内訳を記載した明細書又は補助簿(直近5事業年度分)
- 販売費及び一般管理費の明細(直近5事業年度分)
- 取締役会議事録のうち役員報酬の配分を決定した部分
- 法人税の確定申告書及びその添付書類のうち役員給与に関する部分(直近5事業年度分)
請求の理由の記載例を示します。実際の記載は事案の内容に応じて調整する必要がありますが、目的と必要性との結び付きを示すという骨格は共通します。
| 記載事項 | 記載例 |
|---|---|
| 株主としての地位 | 請求人は、貴社の発行済株式総数のうち100分の◯に相当する株式を保有する株主です。 |
| 請求の目的 | 請求人は、保有する貴社株式の価値を算定し、貴社に対する株式の買取りの申入れ及びその条件の検討を行うことを目的として、本請求を行います。 |
| 必要性との結び付き | 貴社は長期間にわたり剰余金の配当を行っておらず、他方で役員報酬の総額が計算書類上多額に上っています。役員報酬の額及びその個人別の内訳は、株式の価値の算定において正常な収益力を把握するために不可欠の事項であり、計算書類及びその附属明細書からは判明しません。そのため、上記に特定した会計帳簿及びこれに関する資料の閲覧及び謄写が必要です。 |
| 対象の特定 | 閲覧及び謄写を求める対象は、別紙に記載のとおりです。 |
会社が拒んだ場合
会社は、法律の定める拒絶事由に当たらない限り、請求を拒むことができません(会社法第433条第2項)。会社が任意に応じない場合には、裁判所に対して会計帳簿の閲覧謄写を求める仮処分の申立てを行う道があります。もっとも、その手続の詳細は本記事の範囲を超えますので、前掲の記事をご覧ください。
要する期間の目安
ご相談の際によく尋ねられますので、実務上の目安を申し上げます。事案により大きく異なりますので、以下の期間が保証されるものではありません。
| 段階 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 持株比率、株主名簿上の記載及び保有の経緯の確認、並びに登記事項証明書による役員構成の確認 | 1週間から2週間 |
| 第2段階 | 計算書類、附属明細書及び株主総会議事録の閲覧の請求と、その閲覧の実施 | 請求書の到達から2週間から1箇月 |
| 第3段階 | 会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧謄写の請求と、会社の回答 | 請求書の到達から2週間から1箇月。会社が応じる場合の閲覧の実施までを含めて1箇月から3箇月 |
| 第4段階 | 取得した資料に基づく正常収益力の引き直しと、株式の価値の試算 | 1箇月から2箇月 |
| 第5段階 | 会社に対する株式の買取りの申入れと交渉 | 3箇月から1年 |
会社が任意の開示に応じない場合、又は交渉が調わない場合には、これに裁判上の手続の期間が加わります。全体としては、着手から解決まで1年から3年程度を要する事案が多いというのが実感です。
責任の追及と株式の買取りの関係
役員報酬の実額を把握し、それが職務の内容に見合わないことを示すことができた場合、少数株主には2つの道が開かれます。取締役の責任を追及する道と、株式を正当な価格で買い取らせる道です。この2つは別々のものではなく、前者が後者を支える関係に立ちます。当事務所の取扱いの全体像は、配当がゼロで、社長一族の役員報酬に吸い上げられてお困りではありませんかのご案内に整理しています。
取締役に対する責任の追及の枠組み
取締役がその任務を怠り、これによって会社に損害が生じた場合、当該取締役は会社に対して損害を賠償する責任を負います(会社法第423条第1項)。職務の内容に見合わない報酬の支給によって会社の財産が減少したのであれば、この枠組みによって責任を追及する余地があります。重要なのは、賠償金が支払われる先は会社であって、追及した株主個人ではないという点です。株主は、会社の財産が回復することを通じて間接的に利益を受けます。
あわせて、株主の権利の行使に関して財産上の利益を供与することは禁止されており(会社法第120条)、これに違反して利益の供与を受けた者は、会社に返還する義務を負います。少数株主に対して、権利を行使しないことの見返りに金銭その他の利益が提供された事案では、この規定が働く余地があります。
提訴の請求から60日という日程
株主は、会社に対して、取締役の責任を追及する訴えを提起するよう請求することができます(会社法第847条)。会社がこの請求の日から60日以内に訴えを提起しないときは、株主は、会社のために自ら訴えを提起することができます。
この60日について、しばしば誤解が見受けられますので、明確にしておきます。この60日は、株主が訴えを提起することのできる期間の制限ではありません。会社に対して提訴を請求した後、会社が自ら訴えを提起するかどうかを判断するための待機の期間であり、この60日が経過することによって、株主が自ら訴えを提起することができる状態になるというものです。株主代表訴訟の提起の要件、保有の期間、費用の負担及び日程の詳細については、株主代表訴訟を弁護士に依頼するときをご覧ください。
責任の追及は目的ではなく手段です
多くのご相談者が真に望んでおられるのは、取締役に賠償させることそれ自体ではなく、配当も議決権の実益もない株式を正当な価格で現金に換えることです。責任を追及し得る立場に立つことは、その目的を達するための手段として位置付けられます。
その理由は、交渉の構造にあります。会社は、責任の追及が現実の可能性として存在する状況では、その解決を含めた形での買取りに応じる動機を持ちます。逆に、株主が何らの手段も持たないのであれば、会社が低い価格に固執することを止める力は働きません。役員報酬の実額を資料によって示すことができる状態は、価値の算定における主張の根拠であると同時に、交渉における立場そのものです。
最終的に株式を正当な価格で買い取らせるまでの順序
実務上の順序は、おおむね次のとおりです。第1に、持株比率と保有の経緯を確認します。第2に、計算書類、附属明細書及び株主総会議事録を閲覧し、役員報酬の総額と決議上の上限とを対比します。第3に、必要に応じて会計帳簿又はこれに関する資料の閲覧謄写を請求し、個人別の内訳を把握します。第4に、正常収益力への引き直しを行い、株式の価値を複数の方法によって試算します。第5に、会社に対し、書面によって株式の買取りを申し入れ、算定の根拠を示します。第6に、交渉が調わない場合には、株式の譲渡の承認を請求し、会社又は指定買取人が買い取る場合において価格の協議が調わないときは、裁判所に対して売買価格の決定の申立てを行います(会社法第144条第2項)。
裁判所は、売買価格の決定に当たり、会社の資産状態その他一切の事情を考慮します(会社法第144条第3項)。役員報酬による利益の圧縮という事情は、この「一切の事情」の中で主張することのできる事柄です。したがって、資料の収集は、交渉のためだけでなく、その先の手続を見据えて行います。
この場面でしてはならない5つの対応
最後に、ご相談を受ける中で繰り返し目にする、かえって不利に働く対応を5つ挙げます。いずれも、後から取り返すことが難しいものです。
理由を書かずに会計帳簿の閲覧謄写を求めること
会社法第433条第1項は、請求に当たって理由を明らかにすることを求めています。「会社の経営状況を知りたい」といった一般的な記載では、理由として不十分であるとして拒絶される可能性があります。株式の価値を算定し買取りを検討するという目的を示し、そのためになぜ役員報酬に関する帳簿が必要かという結び付きまでを記載し、対象を科目と期間によって特定します。
株主総会を欠席すること
株主総会は、会社に質問をすることのできる数少ない機会です。役員報酬の総額、その決議の根拠及び配分の方法について質問し、質問と回答が議事録に記録されることは、後の交渉及び手続において重要な材料となります。出席が難しい場合であっても、書面によって事前に質問を提出する方法があります。
先に希望する金額を提示すること
会社の実態を把握しないまま希望額を述べますと、その金額が交渉の上限として固定されます。相続税の申告において用いた評価額をそのまま持ち出すことも同様です。相続税の課税のための評価額と、会社に買い取らせる場合の価格とは、目的も算定の枠組みも異なります。金額に触れるのは、資料を得て正常収益力の引き直しを行った後にします。
時間の経過を放置すること
取締役の責任を追及することのできる期間には制限があります。また、期間が経過するほど当時の資料は散逸し、事実の立証は困難になります。会社との関係を悪化させたくないというご心情は理解できますが、何もしないまま年月が過ぎることは、相手方にとって最も好都合な状態です。
株式買取業者に売却すること
株式買取業者に売却しますと、手取りの金額が著しく低くなることが通例です。加えて、株式買取業者への株式の売却について、その効力が争われた裁判例があります。売却が無効とされた場合には、株式は買い戻され、受け取った代金は返還することになります。株式買取業者に相談される前に、弁護士にご相談ください。
よくあるご質問
ご相談の際に多く尋ねられる事項について、順にお答えします。いずれも一般的な説明であり、実際の対応は事案ごとの事実関係と資料によって異なります。
持株比率が数パーセントしかありませんが、何かできますか
できます。計算書類、事業報告及びこれらの附属明細書の閲覧及び謄本の交付の請求(会社法第442条第3項)、並びに株主総会議事録の閲覧の請求(会社法第318条第4項)には、持株比率の要件がありません。附属明細書によって役員報酬の総額を、議事録によって決議上の上限を確認することができますので、この2つの対比だけでも相当のことが分かります。会計帳簿の閲覧謄写の請求には100分の3以上という要件がありますが、これに満たない場合であっても、ご親族が保有する株式と合算することで要件を満たす例があります。
配当を出すよう請求することはできますか
剰余金の配当は株主総会の決議によって行われますので(会社法第454条第1項)、決議がされていない段階で、会社に対して配当の支払を請求することは、原則としてできません。本記事が示す道筋は、配当を出させることではなく、利益が配当以外の経路で流出している事実を把握し、その流出を前提としない価値によって株式を買い取らせることにあります。
会社と争うと、かえって株式を買い取ってもらえなくなるのではありませんか
実務上の経験からは、逆であることが多いというのが実感です。会社が低い価格に固執することができるのは、株主が何らの手段も持たない場合です。役員報酬による利益の圧縮を資料によって具体的に示すことができる状態になりますと、会社の側にも解決の動機が生じます。もっとも、進め方を誤れば関係が悪化するだけに終わる場合もありますので、書面によるやり取りに統一し、順序を設計した上で着手します。
どの資料から着手すべきですか
持株比率の要件がない資料、すなわち計算書類及びその附属明細書、並びに株主総会議事録から着手します。この段階では会社との対立を生じにくく、それでいて役員報酬の総額と決議上の上限という、最も重要な2つの数字を得ることができます。会計帳簿の閲覧謄写の請求は、この段階の結果を踏まえ、何を求めるかを特定した上で行います。
会社からはどのような反論が想定されますか
実務上、次の反論が想定されます。第1に、報酬は株主総会の決議を経ており手続は適法である、という反論です。これに対しては、決議の存在は手続の適法性の問題であり、職務の内容に見合っているかどうかとは別の問題であると答えます。第2に、代表者は金融機関に対して個人保証を差し入れ、長時間の労働と重い責任を負っているのだから報酬は相当である、という反論です。これに対しては、その負担の内容と報酬の額との対応を資料によって示すよう求めます。第3に、比較の対象とした統計は当社の実態に合わない、という反論です。これに対しては、複数の統計を用い、あわせて当該会社の従業員の給与水準との対比を示します。第4に、税務上は損金として認められている、という反論です。これに対しては、法人税法上の取扱いと会社法上の責任とは判断の枠組みが異なると答えます。第5に、閲覧の請求は不当な目的によるものである、という反論です。これに対しては、株式の価値の算定と買取りの検討という目的を、請求の理由の記載によってあらかじめ明確にしておきます。
費用はどの程度かかりますか
弁護士費用の額は、事案の内容、求める手続の範囲及び対象となる株式の価値によって異なります。当事務所の弁護士費用の基準は、弁護士費用のご案内のページに掲げています。初回のご相談において、費用の見込みを具体的に申し上げます。
まとめ
配当をしないこと自体は、直ちに違法とはなりません。しかし、それは少数株主が何もできないということを意味するものではありません。問題の所在は、会社が獲得した利益がどこへ向かっているかにあります。
職務の内容に見合わない役員報酬によって利益が圧縮されているのであれば、株式の価値の算定においては、当該報酬を正常な水準に引き直した正常収益力によるべきです。収益還元法及びDCF法においては、この引き直しが算定結果を大きく左右します。配当還元法においては、支配株主の意思によって作り出された配当ゼロという状態をそのまま算定の基礎に据えることの当否が問われます。純資産に着目する方法においては、影響は限定的です。
引き直しを主張するには、役員報酬の実額が必要です。持株比率の要件がない計算書類及びその附属明細書並びに株主総会議事録から着手し、必要に応じて会計帳簿の閲覧謄写を請求します。あわせて、取締役の責任を追及し得る立場に立つことが、正当な価格で買い取らせるための交渉上の材料となります。なお、法人税法上の過大役員給与の損金不算入と会社法上の株主の救済とは、判断の枠組みも効果も異なる別個の制度です。
ご自身の事案において、どの段階から着手すべきか、どの資料を求めるべきかは、持株比率、保有の経緯及び会社の状況によって異なります。事実関係と経緯を伺えば、初回のご相談で見通しをお伝えできることが通例です。配当が行われず、社長一族の役員報酬に利益が吸い上げられている状況でお困りの場合は、配当がゼロで、社長一族の役員報酬に吸い上げられてお困りではありませんかのご案内も、あわせてご覧ください。
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本ページの主題に関し、当事務所の取扱内容、対応の進め方及び費用の考え方は、次のご案内のページに整理しています。あわせてご覧ください。




