非上場株式の売却相談で弁護士に持参すべき資料
とりわけ優先度が高いのが、会社から届いた通知書です。株式譲渡承認請求に伴う買取りの通知を受領した場合、売買価格の決定の申立ては通知があった日から20日以内にしなければならず(会社法第144条第2項、第7項)、この期間を徒過いたしますと、1株当たり純資産額に対象株式の数を乗じて得た額が売買価格となります(同条第5項、第7項)。到達日を示す封筒は、必ず保管してください。
第2節 資料がない場合の進め方
資料がお手元にない場合でも、着手できることがあります。
表2 入手の方法
| 資料 | 入手の方法 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書 | 法務局において取得いたします | — |
| 定款 | 会社に対する閲覧及び謄本の交付の請求 | 会社法第31条第2項 |
| 株主名簿 | 会社に対する閲覧謄写の請求 | 会社法第125条第2項 |
| 自己の株主名簿記載事項 | 会社に対する書面の交付の請求 | 会社法第122条第1項 |
| 計算書類等 | 会社に対する閲覧及び謄本の交付の請求 | 会社法第442条第3項 |
| 会計帳簿 | 会社に対する閲覧謄写の請求(100分の3以上) | 会社法第433条第1項 |
計算書類等の閲覧及び謄本の交付の請求には持株数の要件がありません。詳細は記事「少数株主が決算書を入手できないときに確認すべき権利」(F01)に整理しております。
なお、会社に対する請求をどの順序で行うかは、事案によって異なります。持株数の要件がない手段から用いるのが通例ですが、期間の制限のある手続が控えている場合には、優先順位が変わります。したがいまして、資料の収集を始める前の段階でご相談いただくことにも意味があります。
また、株券が見当たらないというご相談も多くいただきます。現在は株券を発行していない会社が大多数ですので、まず登記事項証明書により株券発行会社であるか否かを確認いたします。株券発行会社である場合には、株券の取扱いを別途検討することとなります。
第3節 ご相談の際にうかがう事項
表3 主な確認事項
| 事項 | 趣旨 |
|---|---|
| 株式の取得の経緯 | 相続、贈与、払込み、譲受け等の別を確認いたします |
| 保有株式数と発行済株式の総数 | 持株比率を把握いたします |
| 他の株主の構成 | 買主となり得る者を検討いたします |
| 会社との従前のやり取り | いつ、誰に、どのように申し入れたかを確認いたします |
| 会社の事業及び資産の状況 | 評価の枠組みを検討いたします |
| ご本人の意向 | 換価を目指すか、権利行使を継続するかを確認いたします |
| 期限の有無 | 通知を受領している場合は最優先で確認いたします |
ご記憶に基づくお話で差し支えありません。確定していない事項は、確定していない旨をお伝えいただければ足ります。むしろ、不確かな記憶を確かなものとしてお話しいただくことのほうが、後の検討に支障を生じます。
なお、具体的な交渉方法は、株主構成、財務状況、株価、従前の経緯等により異なり、当事務所が個別案件を通じて蓄積してきた実務上のノウハウにも属するため、本ページでは詳細を開示しておりません。ご相談の際に、事案に即して説明いたします。
第4節 ご相談から受任までの流れ
表4 一般的な流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | お電話又は問い合わせ様式によりご連絡をいただきます |
| 2 | ご相談の日時を調整いたします |
| 3 | ご相談において事実関係と資料を確認いたします |
| 4 | 採り得る手段と見通しをご説明いたします |
| 5 | 費用の見込みをご説明いたします |
| 6 | ご依頼をいただく場合、委任契約を締結いたします |
見通しは、資料の範囲に応じてお示しできる精度が変わります。資料が乏しい段階では、まず資料を確保するところから着手することとなります。弁護士費用の考え方については、記事「少数株式の売却で弁護士費用はどのように考えるか」(G08)に整理しております。
よくあるご質問
質問1 資料が何もありませんが相談できますか。
ご相談いただけます。登記事項証明書は誰でも取得することができますし、会社に対する請求により入手できる資料もあります。何がないかを整理することも、ご相談の内容に含まれます。
質問2 会社に知られずに相談できますか。
ご相談の事実を当事務所から会社へお伝えすることはありません。会社に対する請求を行う段階で、どのように進めるかを改めてご相談いたします。
質問3 株式買取業者から連絡が来ておりますが、書面を持参してよいですか。
ぜひお持ちください。契約書、覚書、提示書面は、内容の確認において重要な資料となります。株式買取業者は買手であり、株主本人の代理人ではありません。この点は記事「株式買取業者の行為が法的問題となった裁判例から何を学ぶか」(E04)に整理しております。
弁護士法人M&A総合法律事務所へのご相談
弁護士法人M&A総合法律事務所(代表弁護士 土屋勝裕)では、非上場株式・少数株式について、株主側の代理人としてご相談をお受けしております。当事務所は株式を買い取る立場ではなく、株主の方が株式を保有したまま手続を進めるものです。
- 電話番号 03-6435-8418
- 受付時間 8時00分から21時00分まで(土曜日・日曜日・祝日も受付)
- 所在地 〒105-6017 東京都港区虎ノ門四丁目三番一号 森トラスト城山トラストタワー17階
本記事は一般的な法律上の枠組みをご説明するものであり、結論は事案ごとの事実関係及び資料によって異なります。結果を保証するものではありません。課税関係については税理士にご確認ください。
本記事の根拠条文
会社法 第31条第2項(定款の閲覧等)、第122条第1項(株主名簿記載事項を記載した書面の交付)、第125条第2項(株主名簿の閲覧謄写請求)、第144条第2項・第5項・第7項(売買価格の決定及び20日の期間)、第433条第1項(会計帳簿の閲覧謄写請求)、第442条第3項(計算書類等の閲覧及び謄本の交付の請求)
内部リンク
送客先ランディングページ /landing/minority/(第1号。主)
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資料がそろっていなくても構いません。まずはお手元にあるものをお持ちください。必ず解決できますから、一緒に頑張りましょう。
必ず解決できますから、一緒に頑張りましょう。
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