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合併・会社分割・株式交換・株式移転・株式交付に反対するときは?反対株主の株式買取請求権の行使の手順と期限

公開 2019年2月12日更新 2026年10月31日

本記事は、合併、会社分割、株式交換、株式移転又は株式交付の議案に反対し、株式を公正な価格で買い取ってもらいたいと考えている株主の方に向けたものです。

▶ 株式買取請求権とは 少数株主が非上場株式を売る手続きと注意点

目次
  1. 「合併します」「持株会社をつくります」と知らされた株主の皆様へ
  2.  まず、ご自身がどの立場の株主であるかを確定してください
  3.  株式買取請求をすることができない場合
  4.  誰が「反対株主」にあたるのか
    1. 議決権を行使することができる株主の場合 二段階の反対が必要です
    2. 議決権を行使することができない株主の場合 事前の通知も反対も要しません
  5.  手続の流れと、日を単位とした期限
    1. (1) 吸収型の組織再編(吸収合併、吸収分割、株式交換)及び株式交付の場合
    2. (2) 新設型の組織再編(新設合併、新設分割、株式移転)の場合 起算点が異なります
    3. (3) 株式の数を明らかにして請求すること
    4. (4) 株券発行会社の場合 株券の提出
    5. (5) 株式買取請求の撤回は、原則としてできません
  6.  価格の協議と、裁判所に対する価格の決定の申立て
    1. (1) 協議が調った場合 60日以内の支払
    2. (2) 協議が調わない場合 30日以内の協議と、その満了の日後30日以内の申立て
    3. (3) 法定利率による利息と、公正な価格と認める額の支払
    4. (4) 買取りの効力が生ずる時期
  7.  「公正な価格」はどのように定まるのか
    1. (1) 企業価値が増加する場合と、増加しない場合とを分けて考えます
    2. (2) 価格を算定する基準となる日は、株式買取請求がされた日です
    3. (3) 非上場株式について、市場性がないことを理由とする減価は認められていません
  8. 株式交換で親会社の株主になると、何が変わるのか
    1. 交換比率と親会社の規模によって、議決権の重みが薄まります
    2. 事業を営む子会社の情報に手が届きにくくなります
    3. 受け取る親会社の株式は、自由に売れない株式であることがあります
  9. 持株会社化(株式移転)で変わること
    1. 議決権の割合は同じでも、決める場所が変わります
    2. 子会社の段階での希釈化に、直接反対できなくなります
    3. 共同株式移転では、移転比率が持株会社での割合を決めます
  10. 会社分割で事業を別の会社に移されるとき
  11.  組織再編そのものを争う手段
    1. 組織再編を止めたいとき 差止めの請求と仮処分
    2. 合併比率・交換比率が不公平なとき
  12.  いま、非上場株式の評価は見直しの局面にあります
  13.  実務上、株主が失敗しがちな点
  14. 反対株主の株式買取請求権の行使の流れ(まとめ)
  15. よくあるご質問
    1. 私の会社が他社に吸収合併されます。何をすればよいですか
    2. 持株会社をつくる株式移転が行われます。期間は同じですか
    3. 合併する側(存続会社)の株主です。株式買取請求はできますか
    4. 議決権のない種類株式を有しています。事前の反対の通知は必要ですか
    5. 株式買取請求をした後に、やはり取り下げたいと考えるようになりました
    6. 会社が提示した対価が、あまりに低いと感じます
    7. 組織再編そのものを止めることはできますか
    8. 株式交換が成立すると、私の立場はどう変わりますか
    9. 会社分割でも株式買取請求はできますか
    10. 合併比率が不公平だと感じます。比率を理由に組織再編を止められますか
  16. おわりに
  17. 関連ページ
  18. 出典

「合併します」「持株会社をつくります」と知らされた株主の皆様へ

株主総会の招集通知が届き、議案に「吸収合併契約承認の件」「株式移転計画承認の件」といった記載がある。対価として交付される株式や金銭の額を確かめると、ご自身が考えていた株式の価値を大きく下回っている。このようなご相談をいただくことがあります。

合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付といった組織再編に反対する株主は、会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができます(会社法第785条第1項、第797条第1項、第806条第1項、第816条の6第1項)。

もっとも、組織再編の場合には、ご自身がどの会社の株主であるか、また、その組織再編が吸収型か新設型かによって、根拠となる条文も、期間の起算点も異なります。本記事では、組織再編に伴う反対株主の株式買取請求権の手順と期限を中心に、組織再編の種類ごとに株主の立場がどう変わるのか、組織再編そのものを争う手段もあわせて整理します。

本記事が扱う場面と、扱わない場面

反対株主の株式買取請求権は、場面ごとに根拠となる条文が異なり、期間の起算点も異なります。条文を取り違えますと、期間の計算を誤ります。ご自身の置かれている場面に応じて、次の各記事をご覧ください。

本記事は、手続と期限を中心に解説するものです。弁護士に代理を依頼する場合の進め方、取扱いの範囲及び費用につきましては、反対株主の株式買取請求権に関するご相談のご案内をご覧ください。

 まず、ご自身がどの立場の株主であるかを確定してください

組織再編における株式買取請求権は、株主が誰の株主であるかによって根拠条文が分かれます。次の表により、ご自身の立場を確定してください。

株主の立場 根拠条文 会社からの通知の時期 株式買取請求をすることができる期間
吸収合併により消滅する会社、吸収分割をする会社、株式交換をする完全子会社の株主 会社法第785条、第786条 効力発生日の20日前まで 効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日まで
吸収合併存続会社、吸収分割承継会社、株式交換完全親会社の株主 会社法第797条、第798条 効力発生日の20日前まで 効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日まで
新設合併により消滅する会社、新設分割をする会社、株式移転をする完全子会社の株主 会社法第806条、第807条 株主総会の決議の日から2週間以内 通知又は公告をした日から20日以内
株式交付親会社の株主 会社法第816条の6、第816条の7 効力発生日の20日前まで 効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日まで

新設型の組織再編(新設合併、新設分割、株式移転)だけが、期間の起算点を異にします。効力発生日ではなく、会社からの通知又は公告の日を起算点として20日以内に請求しなければなりません(会社法第806条第5項)。ここを取り違える例が少なくありません。

 株式買取請求をすることができない場合

次の場合には、株式買取請求をすることができません。ご自身が該当しないかどうかを、まずご確認ください。

  • 簡易組織再編にあたる場合 吸収分割により承継させる資産の帳簿価額の合計額が総資産額の5分の1を超えない吸収分割(会社法第784条第2項)、新設分割により承継させる資産の帳簿価額の合計額が総資産額の5分の1を超えない新設分割(会社法第805条)については、分割をする会社の株主に株式買取請求権はありません。存続会社等の側についても、会社法第796条第2項本文に規定する簡易組織再編の場合には、原則として株式買取請求権はありません(会社法第797条第1項ただし書)。
  • 略式組織再編における特別支配会社 特別支配会社である株主自身は、反対株主から除かれます(会社法第785条第2項第2号、第797条第2項第2号)。
  • 総株主の同意を要する場合 会社法第783条第2項に規定する場合等、株主全員の同意が要件とされる場面では、株式買取請求の制度は用いられません(会社法第785条第1項第1号)。

 誰が「反対株主」にあたるのか

会社法第785条第2項、第797条第2項、第806条第2項及び第816条の6第2項は、いずれも「反対株主」を同じ枠組みで定めています。ここを読み誤ることが、最も多い失敗です。

議決権を行使することができる株主の場合 二段階の反対が必要です

当該株主総会において議決権を行使することができる株主は、次の二つをいずれも満たさなければ、反対株主となりません。

  1. 当該株主総会に先立って、当該組織再編に反対する旨を会社に対して通知すること
  2. 当該株主総会において、当該組織再編に反対すること

すなわち、株主総会の当日に反対の議決権を行使しただけでは足りません。逆に、事前に反対を通知していても、株主総会を欠席し、又は賛成した場合には、反対株主となりません。

議決権を行使することができない株主の場合 事前の通知も反対も要しません

当該株主総会において議決権を行使することができない株主は、事前の反対の通知をすることなく、また、株主総会において反対することなく、反対株主となります(会社法第785条第2項第1号ロ、第797条第2項第1号ロ、第806条第2項第2号、第816条の6第2項第1号ロ)。

また、組織再編をするために株主総会の決議を要しない場合(略式組織再編等)には、すべての株主が反対株主となります(会社法第785条第2項第2号、第797条第2項第2号、第816条の6第2項第2号)。

事前の反対の通知は、必ず書面により、到達の証拠を残して行ってください。議決権行使書面に「反対」と記載して返送しただけでは、「株主総会に先立って反対する旨を通知した」ことにあたらないと判断される危険があります。配達証明付内容証明郵便により、株主総会の日より前に到達させることをお勧めします。

 手続の流れと、日を単位とした期限

(1) 吸収型の組織再編(吸収合併、吸収分割、株式交換)及び株式交付の場合

会社からの通知 会社は、効力発生日の20日前までに、その株主に対し、当該組織再編をする旨並びに相手方の会社の商号及び住所を通知しなければなりません(会社法第785条第3項、第797条第3項、第816条の6第3項)。

この通知は、会社が公開会社である場合又は株主総会の決議によって契約等の承認を受けた場合に限り、公告をもって代えることができます(会社法第785条第4項、第797条第4項、第816条の6第4項)。

株式買取請求をすることができる期間 効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間です(会社法第785条第5項、第797条第5項、第816条の6第5項)。与えられている期間は20日間です。

例えば、効力発生日が令和8年11月1日と定められた場合には、次のとおりとなります。

  • 会社からの通知又は公告 令和8年10月12日まで
  • 株式買取請求をすることができる期間 令和8年10月12日から同月31日までの20日間
  • 令和8年11月1日以後にされた株式買取請求は、期間の経過後のものとして効力を有しません

(2) 新設型の組織再編(新設合併、新設分割、株式移転)の場合 起算点が異なります

会社からの通知 消滅株式会社等は、会社法第804条第1項の株主総会の決議の日から2週間以内に、その株主に対し、当該新設合併等をする旨並びに他の消滅会社等及び設立会社の商号及び住所を通知しなければなりません(会社法第806条第3項)。この通知は、公告をもって代えることができます(同条第4項)。

株式買取請求をすることができる期間 上記の通知又は公告をした日から20日以内です(会社法第806条第5項)。

例えば、株主総会の決議の日が令和8年9月1日であり、同月10日に通知がされた場合には、令和8年9月10日から20日以内に株式買取請求をしなければなりません。効力発生日を基準に計算しますと、期間を誤ります。

新設型の組織再編では、支払、協議及び買取りの効力の基準日も「設立会社の成立の日」となります。すなわち、協議が調ったときの支払は設立会社の成立の日から60日以内、協議が調わないときの協議期間は設立会社の成立の日から30日以内であり、買取りの効力も設立会社の成立の日に生じます(会社法第807条第1項、第2項、第6項)。設立会社の成立の日とは、設立の登記がされた日です。

(3) 株式の数を明らかにして請求すること

株式買取請求は、その株式買取請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければなりません(会社法第785条第5項、第797条第5項、第806条第5項、第816条の6第5項)。「自己の有する株式の全部」といった記載では、株式の数が明らかにされたとはいえないと争われる危険があります。必ず具体的な株式数を数字で記載してください。

(4) 株券発行会社の場合 株券の提出

株券が発行されている株式について株式買取請求をしようとするときは、当該株式の株主は、会社に対し、当該株式に係る株券を提出しなければなりません(会社法第785条第6項本文、第797条第6項本文、第806条第6項本文、第816条の6第6項本文)。ただし、当該株券について会社法第223条の規定による株券喪失登録の請求をした者については、この限りではありません。

(5) 株式買取請求の撤回は、原則としてできません

株式買取請求をした株主は、会社の承諾を得た場合に限り、その株式買取請求を撤回することができます(会社法第785条第7項、第797条第7項、第806条第7項、第816条の6第7項)。

いったん株式買取請求をしますと、提示された価格に不満があっても、株主の側から一方的に取り下げることはできません。会社が承諾しない限り、価格の決定の手続を最後まで追行するほかありません。したがって、株式買取請求は、価格が争いとなったときに手続を追行する用意をもって行うべきものであり、安易に行うべきものではありません。なお、効力発生日(新設型にあっては設立会社の成立の日)から60日以内に価格の決定の申立てがない場合には、その期間の満了後は、株主はいつでも株式買取請求を撤回することができます(会社法第786条第3項、第798条第3項、第807条第3項、第816条の7第3項)。また、組織再編を中止したときは、株式買取請求はその効力を失います(会社法第785条第8項、第806条第8項、第816条の6第8項)。

 価格の協議と、裁判所に対する価格の決定の申立て

(1) 協議が調った場合 60日以内の支払

非上場株式の価格の決定について株主と会社との間に協議が調ったときは、会社は、効力発生日(新設型にあっては設立会社の成立の日)から60日以内にその支払をしなければなりません(会社法第786条第1項、第798条第1項、第807条第1項、第816条の7第1項)。

(2) 協議が調わない場合 30日以内の協議と、その満了の日後30日以内の申立て

効力発生日(新設型にあっては設立会社の成立の日)から30日以内に協議が調わないときは、株主又は会社は、その期間の満了の日後30日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができます(会社法第786条第2項、第798条第2項、第807条第2項、第816条の7第2項)。

すなわち、申立てをすることができるのは、基準となる日から起算しておおむね30日目から60日目までの間です。この期間を徒過しますと、価格を裁判所に決定してもらう手段が失われます。期間の計算は民法の定めるところによりますので、実際の満了日は暦に当てはめて必ずご確認ください。

申立ての管轄は、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所です(会社法第868条第1項)。

(3) 法定利率による利息と、公正な価格と認める額の支払

会社は、裁判所の決定した価格に対する上記(1)の60日の期間の満了の日後の法定利率による利息をも支払わなければなりません(会社法第786条第4項、第798条第4項、第807条第4項、第816条の7第4項)。

また、会社は、非上場株式の価格の決定があるまでは、株主に対し、当該会社が公正な価格と認める額を支払うことができます(会社法第786条第5項、第798条第5項、第807条第5項、第816条の7第5項)。これはいわゆる仮払の制度であり、会社がこれを行うのは、利息の発生を止めることを目的とする場合が少なくありません。仮払を受けたことは、その額を公正な価格として承認したことを意味するものではありません。

(4) 買取りの効力が生ずる時期

株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日に、その効力を生じます(会社法第786条第6項、第798条第6項、第816条の7第6項)。新設型の組織再編にあっては、設立会社の成立の日に、その効力を生じます(会社法第807条第6項)。株券発行会社は、株券と引換えに代金を支払わなければなりません(会社法第786条第7項等)。

協議が調わない場合に裁判所に価格の決定を申し立てる手続と、その期限は、次のページでご案内しています。

 「公正な価格」はどのように定まるのか

組織再編の場合の「公正な価格」については、最高裁判所が繰り返し判断を示しています。

(1) 企業価値が増加する場合と、増加しない場合とを分けて考えます

最高裁判所平成23年4月19日決定は、組織再編によってシナジーその他の企業価値の増加が生じない場合には、組織再編がされなかったとしたならば株式が有していたであろう価格(いわゆるナカリセバ価格)をもって公正な価格とすべきであるとし、企業価値の増加が生ずる場合には、増加した企業価値が適切に分配されたとすれば株式が有すべき価格(いわゆるシナジー分配価格)をもって公正な価格とすべきであるとの枠組みを示しました(出典 最高裁判所平成23年4月19日決定)。

同様の枠組みは、株式移転の事案についても示されています(出典 最高裁判所平成23年4月26日決定)。

(2) 価格を算定する基準となる日は、株式買取請求がされた日です

最高裁判所平成24年2月29日決定は、公正な価格は、原則として、株式買取請求がされた日における非上場株式の価格をいうものと解するのが相当であると判断しました(出典 最高裁判所平成24年2月29日決定)。すなわち、いつ株式買取請求をするかによって、算定の基準となる日が動きます。

(3) 非上場株式について、市場性がないことを理由とする減価は認められていません

最高裁判所平成27年3月26日決定は、非上場会社の株式について、収益還元法を用いて株式買取請求に係る非上場株式の価格を決定する場合に、非流動性ディスカウント(市場性がないことを理由とする減価)を行うことはできないと判断しました(出典 最高裁判所平成27年3月26日決定)。会社の側からされる「非上場株式であって流動性がないのであるから割り引くべきである」との主張は、この場面では認められません。

株式交換で親会社の株主になると、何が変わるのか

株式交換は、ある会社(完全子会社となる会社)の発行済株式の全部を、別の会社(完全親会社となる会社)に取得させる手続です。完全子会社となる会社の株主は、その株式の代わりに、株式交換契約で定められた対価を受け取ります(会社法第768条第1項第2号、第3号)。対価が親会社の株式である場合、あなたは事業を営む会社の株主ではなくなり、その会社の株式を100%持つ親会社の株主となります。株式買取請求をするかどうかを判断するためには、交換の後のご自身の立場を具体的に想定しておく必要があります。

交換比率と親会社の規模によって、議決権の重みが薄まります

子会社となる会社の議決権の30%を持っていた株主であっても、親会社が社長の資産管理会社で、既に多くの株式を発行している場合、交換後の親会社での議決権の割合は数%にとどまることがあります。交換比率が子会社の側に不利に定められていれば、その低下はさらに大きくなります。子会社となる会社では特別決議を単独で否決できた議決権が、親会社ではその力を失うこともあります。

事業を営む子会社の情報に手が届きにくくなります

親会社の株主となった後は、子会社の会計帳簿、計算書類、株主総会の議事録、株主名簿を閲覧するには、権利を行使するため必要があることを示して、裁判所の許可を得なければなりません(会社法第433条第3項、第442条第4項、第318条第5項、第125条第4項)。子会社の取締役の責任を親会社の株主が追及する訴え(いわゆる多重代表訴訟)にも、親会社の議決権又は発行済株式の100分の1以上を有することなど、通常の株主代表訴訟よりも厳しい要件が定められています(会社法第847条の3第1項)。

受け取る親会社の株式は、自由に売れない株式であることがあります

親会社が非上場会社で、株式の譲渡に会社の承認を要すると定めている場合は、受け取った親会社の株式を自由に売ることはできません。株式交換の効力が生じた後は株式買取請求ができなくなるため、株式買取請求の期間は、換金の数少ない機会でもあります。なお、対価が金銭である株式交換は、株主の地位そのものを失わせる締め出しの手続です。この場合の対抗手段は、スクイーズアウトへの対抗手段とは?少数株主が持つ権利をご覧ください。

会社が会計帳簿を見せない場合の、会計帳簿の閲覧謄写請求の手続は、次のページでご案内しています。

持株会社化(株式移転)で変わること

1つの会社だけで株式移転をする場合、株主は持株数に応じて持株会社の株式を受け取るため、持株会社での議決権の割合は、原則として従前と変わりません。それでも、株主の立場は次のとおり大きく変わります。

議決権の割合は同じでも、決める場所が変わります

事業を営むのは子会社となった元の会社であり、子会社の株主は持株会社1社だけとなります。子会社の取締役の選任、子会社の増資、子会社の事業の譲渡などは、持株会社の取締役会が子会社の株主として決めることになり、これまで株主総会で反対の意思を示すことができた事項の多くが、株主の目の届かないところで決まるようになります。

子会社の段階での希釈化に、直接反対できなくなります

持株会社化の後、子会社が経営者やその親族に新株を発行したり、子会社の事業や資産を別の会社に移したりすれば、持株会社の株式の価値は実質的に薄まります。これらを決めるのは子会社の株主である持株会社であり、あなたが反対の議決権を行使する場はありません。株主総会では、持株会社の取締役会を誰が構成するのか、子会社の重要な決定について持株会社の株主総会の承認を要する定めを置くのか、子会社の増資を予定しているのかを質問し(会社法第314条)、回答を記録に残しておくことをお勧めします。

共同株式移転では、移転比率が持株会社での割合を決めます

経営者が支配する別の会社と共同で株式移転をする場合、各社の株主が持株会社の株式をどの比率で受け取るかによって、持株会社での議決権の割合が決まります。比率が相手の会社に有利に定められれば、あなたの割合は不当に下がります。株式移転計画と比率の算定の根拠は、本店に備え置かれる書面で確かめることができます(会社法第803条第1項、第3項)。

お手元の資料と経緯をお聞きし、進め方の順序をお示しします。

会社分割で事業を別の会社に移されるとき

会社分割は、会社の事業の全部又は一部を別の会社に承継させる手続です。分割をする会社の株主は、分割の後も同じ会社の株主のままですが、事業そのものは承継した会社に移ります。分割の対価として承継会社の株式を会社が受け取る場合、株主から見ると、事業が子会社の段階に移り、持株会社化と同じように事業への監視の手段が遠のくことになります。

吸収分割をする会社の株主は会社法第785条、新設分割をする会社の株主は会社法第806条により、反対株主として株式買取請求をすることができます。もっとも、前述の「株式買取請求をすることができない場合」のとおり、承継させる資産の帳簿価額の合計額が会社の総資産額の5分の1を超えない場合(簡易分割)には、株主総会の決議を要せず、株式買取請求はできません(会社法第784条第2項、第785条第1項第2号、第805条、第806条第1項第2号)。この場合には差止めの請求もできないため(会社法第784条の2ただし書、第805条の2ただし書)、承継させる資産の範囲と帳簿価額を事前開示の書面で確かめ、簡易分割の要件を満たしているかを検討することが重要です。

 組織再編そのものを争う手段

  • 事前開示書面の閲覧謄写 組織再編をする会社は、契約又は計画の内容その他法務省令で定める事項を記載した書面等を本店に備え置かなければなりません(会社法第782条、第794条、第803条、第816条の2)。対価の相当性に関する事項が記載されますので、価格を争ううえで最も重要な資料となります。
  • 組織再編をやめることの請求 当該組織再編が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、株主は、会社に対し、これをやめることを請求することができます(会社法第784条の2、第796条の2、第805条の2、第816条の5)。
  • 株主総会の決議の取消しの訴え 提訴の期間は決議の日から3か月以内です(会社法第831条第1項)。
  • 組織再編の無効の訴え 吸収合併、新設合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転及び株式交付の無効は、それぞれの効力が生じた日から6か月以内に、訴えをもってのみ主張することができます(会社法第828条第1項第7号から第13号まで)。

これらの手段と、株式買取請求とは、期間が並行して進行します。いずれを採るかを早期に判断する必要があります。

組織再編を止めたいとき 差止めの請求と仮処分

上記の「組織再編をやめることの請求」(差止め)について、法令の違反として考えられるのは、必要な株主総会の決議を欠く場合、事前開示の書面が備え置かれていない場合、株主への通知を欠く場合などです(会社法第784条の2第1号、第796条の2第1号、第805条の2)。

差止めは、効力発生日(新設型にあっては設立会社の成立の日)までに裁判所の判断を得なければ意味がありません。通常の訴訟では間に合わないため、実務では組織再編を仮に差し止める仮処分を申し立てます(民事保全法第23条第2項)。簡易の組織再編では差止めの請求ができない場合がある点(会社法第784条の2ただし書、第796条の2ただし書、第805条の2ただし書)にも注意が必要です。

差止めを求める場合も、前述のとおり株式買取請求の期間は並行して進みます。組織再編を止めることを目指しつつ、止められなかった場合に公正な価格での買取りを求める権利を失わないように、反対の通知を株主総会の前に出しておくことが重要です。

合併比率・交換比率が不公平なとき

合併比率や株式交換の交換比率が不公平に定められると、不利な側の会社の株主は、存続会社や親会社での持株比率を不当に下げられます。グループ内の組織再編では、経営者が支配する会社に有利な比率が定められることがあります。もっとも、比率が不公平であることだけを理由として組織再編の無効を主張することは難しいと解されているため、次の手段を組み合わせて検討します。

  • 略式の組織再編の差止め 一方の会社が他方の会社の議決権の10分の9以上を有するため、他方の会社の株主総会の決議を省略する組織再編(略式の組織再編)では、対価が会社の財産の状況その他の事情に照らして著しく不当である場合に、差止めを請求できます(会社法第784条の2第2号、第796条の2第2号)。
  • 株主総会の決議の取消しの訴え 組織再編の相手方である会社や経営者が株主として議決権を行使し、著しく不当な比率が承認された場合には、特別の利害関係を有する者の議決権の行使による著しく不当な決議として、決議の日から3か月以内に取消しを請求することが考えられます(会社法第831条第1項第3号)。
  • 株式買取請求による公正な価格の確保 反対株主として株式買取請求をし、協議が調わなければ裁判所に価格の決定を申し立てます。比率の不公平は、公正な価格の算定において主張します。

いずれの手段でも、比率の算定の方法と根拠を示す事前開示の書面(会社法第782条、第794条、第803条)が最も重要な資料です。

 いま、非上場株式の評価は見直しの局面にあります

国税庁は令和8年(2026年)4月20日から「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を開催し、昭和39年(1964年)公表の財産評価基本通達の抜本的な見直しを検討しています。

第1回会議(令和8年4月20日)に提出された資料によりますと、類似業種比準価額の中央値は純資産価額の中央値の26%から27%程度にとどまり、類似業種比準価額が純資産価額の0.5倍未満である会社が77.6%に及びます。評価対象会社の82.4%は直前2期に配当をまったく支払っていません(出典 国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第1回)」資料・令和8年4月20日)。

【令和8年8月20日】第5回有識者会議で示された方向性

国税庁は第5回会合において「類似業種比準方式を存置することは困難ではないか」とし、会社規模による区分を廃止して「インカムアプローチによる評価を主軸とすべき」との方向性を示しました(出典 国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第5回)」資料・令和8年8月20日)。なお、内容も時期も確定したものではありません。

グループ内の組織再編においては、対価が親会社の側の都合によって定められ、少数株主の利益が十分に考慮されない例が見受けられます。提示された対価が低いと感じられた場合には、その感覚を軽んじるべきではありません。

 実務上、株主が失敗しがちな点

  1. 新設型の組織再編で、期間の起算点を取り違える 新設合併、新設分割及び株式移転では、通知又は公告の日から20日以内です(会社法第806条第5項)。効力発生日を基準に計算しますと、確実に期間を徒過します。
  2. 事前の反対の通知を失念する 株主総会の当日に反対しただけでは、反対株主となりません。
  3. 議決権行使書面への「反対」の記載のみで済ませる これが「株主総会に先立つ反対の通知」にあたらないと判断される危険があります。
  4. 通知の到達を証明することができない 配達証明付内容証明郵便によってください。
  5. 請求書面に株式の数を記載しない 株式の数を明らかにしていない請求は、要件を欠くものとして争われます。
  6. 自分がどちらの会社の株主かを取り違える 消滅会社等の株主か、存続会社等の株主かによって、根拠条文が異なります(会社法第785条と第797条)。
  7. 簡易組織再編にあたることを見落とす この場合には株式買取請求権がありませんので、決議の取消しや差止め等、別の手段を検討する必要があります。
  8. 公告を見落とす 一定の場合には、通知に代えて公告をすることが認められています。
  9. 価格の決定の申立ての期間を徒過する 効力発生日(新設型にあっては設立会社の成立の日)から30日の協議期間が満了した日の後30日以内です。会社との協議を続けているうちに期間が満了してしまう例が、最も多く見受けられます。
  10. 安易に株式買取請求をしてしまう 会社の承諾がなければ撤回することができません。

反対株主の株式買取請求権の行使の流れ(まとめ)

ここまでの手続を、吸収合併により消滅する会社の株主の場合(会社法第785条、第786条)を例に、順にまとめます。新設型の組織再編では、株式買取請求の期間の起算点が異なります(会社法第806条第5項)。

  1. 招集通知と事前開示書面を確かめる 議案と対価の内容、効力発生日を確認します(会社法第782条)。
  2. 株主総会に先立って反対の通知をする 配達証明付内容証明郵便により、株主総会の日より前に到達させます。委任状や議決権行使書面に「反対」と表示して提出しただけでは、反対の通知にあたらない可能性があります。
  3. 株主総会で反対する 事前の通知と株主総会での反対の2回の反対がそろって、反対株主となります(会社法第785条第2項第1号イ)。
  4. 期間内に株式買取請求をする 効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、株式の数を明らかにして請求します(会社法第785条第5項)。株主総会で反対しただけでは、買取りを求めたことになりません。
  5. 価格を協議する 効力発生日から30日以内に協議が調えば、会社は効力発生日から60日以内に支払います(会社法第786条第1項)。
  6. 裁判所に価格の決定を申し立てる 協議が調わないときは、30日の期間の満了の日後30日以内に申し立てます(会社法第786条第2項)。価格の決定の手続は和解により終わることが多く、必ずしも請求したとおりの金額となるわけではありません。

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よくあるご質問

私の会社が他社に吸収合併されます。何をすればよいですか

ご自身は吸収合併により消滅する会社の株主ですので、会社法第785条及び第786条が適用されます。株主総会に先立って反対する旨を書面で通知し、株主総会において反対したうえで、効力発生日の20日前の日から効力発生日の前日までの間に、株式の数を明らかにして株式買取請求をしてください。

持株会社をつくる株式移転が行われます。期間は同じですか

異なります。株式移転は新設型の組織再編ですので、会社法第806条及び第807条が適用されます。株式買取請求は、会社からの通知又は公告の日から20日以内にしなければなりません(会社法第806条第5項)。効力発生日を基準として計算しますと、期間を誤ります。

合併する側(存続会社)の株主です。株式買取請求はできますか

できます。存続株式会社等の株主については、会社法第797条及び第798条が適用されます。ただし、会社法第796条第2項本文に規定する簡易組織再編にあたる場合には、原則として株式買取請求権がありません(会社法第797条第1項ただし書)。

議決権のない種類株式を有しています。事前の反対の通知は必要ですか

必要ありません。当該株主総会において議決権を行使することができない株主は、事前の通知も株主総会における反対も要せず、反対株主となります。ただし、株式買取請求の期間の制限は同じです。

株式買取請求をした後に、やはり取り下げたいと考えるようになりました

会社の承諾を得た場合に限り、撤回することができます(会社法第785条第7項、第797条第7項、第806条第7項、第816条の6第7項)。会社が承諾しない限り、撤回はできません。例外として、効力発生日(新設型にあっては設立会社の成立の日)から60日以内に価格の決定の申立てがない場合には、その期間の満了後はいつでも撤回することができます。

会社が提示した対価が、あまりに低いと感じます

まず、事前開示書面(会社法第782条、第794条、第803条、第816条の2)により、対価の相当性に関する事項を確認してください。そのうえで株式買取請求を行い、協議が調わない場合には、30日の協議期間が満了した日の後30日以内に、裁判所に対して価格の決定の申立てをします。公正な価格の算定の基準となる日は、原則として株式買取請求がされた日です(最高裁判所平成24年2月29日決定)。

組織再編そのものを止めることはできますか

当該組織再編が法令又は定款に違反する場合において、株主が不利益を受けるおそれがあるときは、これをやめることを請求することができます(会社法第784条の2、第796条の2、第805条の2、第816条の5)。また、効力が生じた後は、効力が生じた日から6か月以内に無効の訴えを提起することが考えられます(会社法第828条第1項第7号から第13号まで)。

株式交換が成立すると、私の立場はどう変わりますか

事業を営む会社は親会社の完全子会社となり、あなたは親会社の株主になります。親会社での議決権の割合は、交換比率と親会社の規模によって大きく下がることがあり、子会社の会計帳簿等を閲覧するには裁判所の許可が必要となります(会社法第433条第3項)。交換の後の立場を想定したうえで、株式買取請求をするかどうかを判断してください。

会社分割でも株式買取請求はできますか

分割をする会社の株主は、原則として株式買取請求ができます(会社法第785条、第806条)。ただし、承継させる資産の帳簿価額が総資産額の5分の1を超えない簡易分割では、株式買取請求も差止めの請求もできません(会社法第784条第2項、第805条)。事前開示の書面で、承継させる資産の範囲と帳簿価額を確かめてください。

合併比率が不公平だと感じます。比率を理由に組織再編を止められますか

株主総会の決議を省略する略式の組織再編では、対価が著しく不当であることを理由に差止めを請求できる場合があります(会社法第784条の2第2号、第796条の2第2号)。それ以外の場合は、特別の利害関係を有する者の議決権の行使による著しく不当な決議の取消し(会社法第831条第1項第3号)や、株式買取請求による公正な価格の確保を検討します。

おわりに

組織再編は、株主総会の特別決議さえ得られれば進んでしまう手続です。対価に納得できない株主に残されているのは、公正な価格で買い取らせるという一度きりの機会です。

期間は20日間しかなく、新設型の組織再編では起算点そのものが異なります。事前の反対の通知を欠けば権利は生じません。株式の数を書き落とせば、請求の効力が争われます。そして、いったん請求をすれば、会社の承諾なくして撤回することはできません。だからこそ、招集通知をご覧になった段階で、直ちに手順を組み立てる必要があります。

弁護士法人M&A総合法律事務所は、非上場株式の少数株主の皆様の側に立って、反対の通知、株式買取請求、価格の協議及び裁判所に対する価格の決定の申立てを取り扱ってまいりました。お手元の招集通知、事前開示書面及び会社の登記事項証明書をご用意のうえ、お早めにご相談ください。必ず解決できますから、一緒に頑張りましょう。

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出典

  • 会社法(第223条、第782条、第783条第2項、第784条第2項、第784条の2、第785条、第786条、第794条、第796条第2項、第796条の2、第797条、第798条、第803条、第804条第1項、第805条、第805条の2、第806条、第807条、第816条の2、第816条の5、第816条の6、第816条の7、第828条第1項第7号から第13号まで、第831条第1項、第868条第1項)
  • 最高裁判所平成23年4月19日決定(組織再編における公正な価格の意義)
  • 最高裁判所平成23年4月26日決定(株式移転における公正な価格)
  • 最高裁判所平成24年2月29日決定(公正な価格の算定の基準となる日)
  • 最高裁判所平成27年3月26日決定(非上場会社の株式買取請求における非流動性ディスカウントの可否)
  • 国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第1回)」資料(令和8年4月20日)
  • 国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第5回)」資料(令和8年8月20日)
  • 会社法第125条第4項、第318条第5項、第433条第3項、第442条第4項(親会社社員による閲覧等)、第768条第1項(株式交換契約)、第784条の2第2号、第796条の2第2号(略式の組織再編の差止め)、第831条第1項第3号、第847条の3第1項(最終完全親会社等の株主による特定責任追及の訴え)
  • 民事保全法第23条第2項(仮の地位を定める仮処分)
この記事の位置付け

組織再編に反対する場合の買取請求に関するメインのページです。本ページは、少数株主として株式の売却を考える方に向けて、合併や株式交換などに反対する際の手順と期限をご説明します。定款の変更の場面は別のページをご参照ください。

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執筆者

弁護士法人M&A総合法律事務所 代表弁護士 土屋勝裕(東京弁護士会所属 登録番号26775)

2024年(令和6年)10月に最高裁判所において株式買取請求権に関する逆転判決を得た弁護士です。長島・大野・常松法律事務所に在籍した後、慶應義塾大学ビジネス・スクール及びペンシルベニア大学ウォートン校に留学し、ファイナンス理論並びにM&A及び不動産を専攻しました。不動産投資信託(J-REIT)の上場案件にも関与しています。

主として取り扱う分野 M&A、株式買取請求権、非上場株式の価格の決定、企業価値評価、事業承継及び企業法務

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本記事の記載は一般的な法律情報であり、個別の事案に関する法律上の助言ではありません。記載した経歴は事実の記述であり、個別の事件の結果を保証するものではありません。

著書

非上場会社における少数株主対策の手法と実務
『非上場会社における少数株主対策の手法と実務』(日本法令)
中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策
『中堅・中小企業のためのM&Aトラブル事例と実務対策』(清文社)
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