会社に非上場株式の買取りを断られた場合に少数株主が検討すべきこと

会社に対して「保有している非上場株式を買い取ってほしい」と申し入れたところ、明確な理由の説明もないまま断られました。「前例がない」「そのような制度はない」とだけ言われて話が終わってしまいました。申入れの書面に対して何の返答もないまま数か月が経過しています。このような状況で、株式を保有し続けるほかないのかとお考えの方は少なくありません。

結論から申し上げますと、会社が一度買取りを断ったことは、その後の任意の買取りが成立しないことを意味するものではありません。会社には非上場株式を買い取る一般的な法律上の義務はありませんが、他方で、会社が任意に自己株式を取得すること自体は会社法上正面から認められた行為です。本ページでは、制度の構造、会社側の意思決定の仕組み、採り得る選択肢、手続に付された期間、集めるべき資料、価格の考え方という順に整理いたします。

第1節 会社に株式を買い取る一般的な義務はありません

1 株式譲渡自由の原則と譲渡制限

株主は、原則としてその有する株式を自由に譲渡することができます(会社法第127条)。もっとも、これは「譲渡してよい」という自由を定めたものであって、「会社が買い取らなければならない」という義務を定めたものではありません。少数株主が求めればいつでも会社が買い取らなければならないという一般的な規定は、会社法に存在いたしません。

非上場会社の多くは、譲渡による株式の取得について会社の承認を要する旨を定款で定めております(会社法第107条第1項第1号、第108条第1項第4号)。これを譲渡制限株式と申しますが、譲渡そのものが禁止されているわけではなく、会社の承認という手続が付加されているにすぎません。後述する株式譲渡承認請求により、売却の道は制度上確保されております。

2 法律が買取義務を定める場面は限られています

会社が株式を買い取る法律上の義務を負うのは、法律が個別に定めた類型に限られます。いずれも特定の会社行為を前提とする制度であり、会社に何の動きもない状態で単独で用いることはできません。

具体的には、定款変更により株式に譲渡制限の定めを設ける場合等の反対株主の株式買取請求(会社法第116条第1項)、株式の併合により端数が生ずる場合の買取請求(同法第182条の4)、単元未満株式の買取請求(同法第192条)、事業譲渡等に反対する株主の買取請求(同法第469条)、組織再編に反対する株主の買取請求(同法第785条、第797条、第806条)です。単元未満株式の場合を除き、いずれも当該行為に反対することが前提となり、行使期間は原則として効力発生日の20日前から前日までです。価格の協議が調わないときは、効力発生日から30日以内に裁判所へ価格の決定の申立てをすることができます(同法第117条第2項、第470条第2項、第786条第2項等)。

したがって、会社から「当社に買い取る義務はない」と言われた場合、その説明自体は法律論として誤りではありません。問題は、そこで検討を終えてしまうことにあります。義務がないということと、任意に買い取ることができないということとは、別の事柄です。

第2節 それでも任意の買取りが成立する余地があります

1 自己株式の取得は会社法上認められた行為です

会社法第155条は、株式会社が自己の株式を取得することができる場合を列挙しており、同条第3号は、株主との合意により有償で取得する場合(第156条第1項の決議があった場合)を掲げております。会社が少数株主から株式を買い取ることは、この類型に当たります。

手続としては、まず株主総会の普通決議により、取得する株式の数、取得と引換えに交付する金銭等の内容及びその総額、株式を取得することができる期間(1年を超えることができません)を定めます(会社法第156条第1項各号)。次に、その都度、1株当たりの対価及び譲渡しの申込みの期日等を定めて株主に通知し(会社法第157条第1項、第158条第1項)、通知を受けた株主が譲渡しの申込みを行うことにより取得の効力が生じます(会社法第159条)。

2 特定の株主から取得する場合と売主追加請求

上記の原則的な手続では、すべての株主に申込みの機会を与えなければなりません。そこで会社法は、特定の株主から取得する場合の特則を設けております。第158条第1項の通知を特定の株主に対して行う旨を定めることができ、この場合の第156条第1項の決議は株主総会の特別決議によらなければならず(会社法第160条第1項、第309条第2項第2号)、当該特定の株主はこの決議について議決権を行使することができません(会社法第160条第4項)。

重要であるのは、他の株主に売主追加請求権が与えられている点です。会社は、当該株主総会の日の2週間前までに、他の株主に対し、自己をも売主に加えることを請求することができる旨を通知しなければならず(会社法第160条第2項、会社法施行規則第28条)、通知を受けた株主はその請求をすることができます(同条第3項)。ただし、定款によりこの規定を適用しない旨を定めることができ(会社法第164条第1項)、一般承継により株式を取得した者から取得する場合の特則もあります(会社法第162条)。会社が慎重になる理由の一つはここにありますが、手続上の考慮事項にすぎず、買取りができないことの理由にはなりません。

3 財源規制(分配可能額)の考え方

会社が自己株式を取得する場合、株主に対して交付する金銭等の帳簿価額の総額は、その取得が効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならないとされております(会社法第461条第1項第3号)。後述する株式譲渡承認請求に伴って会社が買い取る場合も同様です(同項第1号)。分配可能額は、剰余金の額(会社法第446条)を基礎とし、自己株式の帳簿価額その他の所定の金額を控除して算定されます(会社法第461条第2項)。これを超えて取得した場合、金銭等の交付を受けた者及び業務執行者等は会社に対して連帯して支払義務を負い(会社法第462条第1項)、当該事業年度の計算書類につき欠損が生じた場合には業務執行者が責任を負うことがあります(会社法第465条第1項)。

以下は説明のための仮設例です。

> 発行済株式総数10,000株、保有株式数800株(8パーセント)。直近の貸借対照表上、その他利益剰余金が3億円、自己株式の保有はなし。この場合、分配可能額はおおむね3億円程度と見込まれ、1株当たり50,000円で800株を取得するとすれば取得価額の総額は4,000万円ですので、財源規制上の制約とはなりません。他方、その他利益剰余金が3,000万円にとどまる場合には、4,000万円の一括取得は分配可能額を超えることとなり、取得の時期又は株式数を分ける、会社以外の買主を検討するといった別の組立てが必要となります。

実際の分配可能額は会社法第446条及び会社計算規則の定めに従って算定されますので、この仮設例のように単純に決まるとは限りません。もっとも、十分な内部留保があるにもかかわらず「財源がない」との説明がされている場合には、根拠を確認する意味があります。

4 会社が最初に断る理由の構造

会社が最初に断る理由は、買取りが法律上できないからではなく、実際上の事情によることが多いものです。第一に、非上場株式には市場価格がなく、いくらで買い取れば適切であるのか判断の基準を持たないこと。第二に、株主総会の特別決議、売主追加請求への対応、分配可能額の確認といった手続を誰がいつまでに行うのかが具体化しないこと。第三に、一人の株主から買い取れば他の株主からも同様の申入れがされるのではないかという懸念。第四に、申入れの内容が具体性を欠き、検討の対象を特定できないことです。いずれも、検討材料が整えば会社側で判断し直す余地のある事柄です。

第3節 断られた後に検討する選択肢

表1 断られた後に検討し得る選択肢の比較

選択肢 主な根拠条文 手続の概要と主な留意点
会社との任意の買取交渉(自己株式の取得) 会社法第155条第3号、第156条から第160条まで、第461条 株主総会決議を経て取得する。分配可能額による制約及び売主追加請求への対応を要する
代表者個人・他の大株主への譲渡 会社法第136条以下(譲渡制限株式の場合) 相対の売買契約。会社の機関決定は不要であるが、買主の資金調達が課題となる
第三者への譲渡と株式譲渡承認請求 会社法第136条から第145条まで 譲受人を定めて承認請求。不承認の場合は会社又は指定買取人が買い取る。期間が短い
保有を継続しつつ株主としての権利を行使 会社法第433条、第442条、第297条、第303条、第847条等 資料の取得等。権利行使が直ちに買取りにつながるものではない
株式買取業者への売却 相対の売買契約 業者は買手であり株主の代理人ではない(第7節)

株式の買主は会社に限られません。個人が買主となる場合には第156条以下の手続や分配可能額の規制は及びませんが、買主の資金調達という別の問題が生じます。いずれの選択肢を採るかは、保有株式数、会社の財務状況、株主構成、従前の経緯、希望される解決の時期によって異なります。これらは択一的なものではなく、任意の買取交渉を行いながら並行して資料の取得を進めるという組合せもあり得ます。

第4節 株式譲渡承認請求の手続と期間

譲渡制限株式について会社が買取りに応じない場合の制度上の受け皿が、株式譲渡承認請求です。条文ごとに短い期間が定められており、期間の管理が極めて重要となります。

1 条文ごとの要件と効果

株主は、その有する譲渡制限株式を他人に譲り渡そうとするときは、会社に対し、当該他人がその株式を取得することについて承認するか否かの決定をすることを請求することができます(会社法第136条。既に株式を取得した者からの請求につき同法第137条)。この請求は、譲り渡そうとする株式の数及び譲り受ける者の氏名又は名称を明らかにして行い(会社法第138条第1号イ及びロ)、あわせて、会社が承認をしない場合には会社又は指定買取人が当該株式を買い取ることを請求することができます(同号ハ)。この買取請求を付さないまま不承認とされますと、買取りの手続へ進むことができませんので、注意を要します。

会社は、株主総会(取締役会設置会社にあっては取締役会)の決議によって承認をするか否かを決定し、その内容を請求者に通知いたします(会社法第139条第1項、第2項)。承認をしない旨の決定をした場合において第138条第1号ハの請求があったときは、会社は対象株式を買い取らなければならず、これは株主総会の特別決議により決定いたします(会社法第140条第1項、第2項、第309条第2項第1号)。この決議において承認請求をした株主は議決権を行使することができず(会社法第140条第3項)、会社に代えて買い取る者(指定買取人)を指定することもできます(同条第4項、第5項)。

会社が買い取る場合、会社は買い取る旨及び株式の数を請求者に通知し、その際、1株当たり純資産額に買い取る株式の数を乗じて得た額を供託して、供託を証する書面を交付しなければなりません(会社法第141条第1項、第2項。指定買取人も同様です。同法第142条第1項、第2項)。売買価格は当事者の協議によって定め、協議が調わない場合には裁判所へ売買価格の決定の申立てをすることができます(会社法第144条第1項、第2項、第7項)。裁判所は、承認請求の時における会社の資産状態その他一切の事情を考慮して価格を定めます(同条第3項)。

2 期間の一覧

表2 株式譲渡承認請求に関する期間

手続 期間 起算点 徒過した場合の効果 根拠条文
会社による承認又は不承認の通知 2週間(定款で短縮可能) 承認請求の日 承認をしたものとみなされます 会社法第145条第1号
買取りの通知及び供託を証する書面の交付 会社は40日、指定買取人は10日 不承認の通知の日 承認をしたものとみなされます 会社法第145条第2号、会社法施行規則第26条第1号・第2号
売買価格の協議 20日 供託を証する書面の交付の日 次項の申立てに進みます 会社法第144条第1項、第7項
裁判所に対する売買価格の決定の申立て 20日 供託を証する書面の交付の日 1株当たり純資産額に株式数を乗じて得た額が売買価格となります 会社法第144条第2項、第5項、第7項

実務上とりわけ重要であるのは最終行です。20日の申立期間を経過し、協議も調っていない場合、売買価格は1株当たり純資産額に株式数を乗じて得た額に確定いたします(会社法第144条第5項)。1株当たり純資産額は帳簿上の数値を基礎とするものであり、不動産の含み益も営業権も反映いたしませんので、会社の実際の価値とかけ離れている例は珍しくありません。なお、承認請求は、会社又は指定買取人が買取りの通知をした後は、その承諾を得た場合に限り撤回することができます(会社法第143条第1項、第2項)。「価格が折り合わなければ取り下げればよい」という前提で手続を開始することはできないということになります。

先の仮設例(発行済株式総数10,000株、保有株式数800株、簿価純資産5億円)では、1株当たり純資産額は50,000円、供託される金額は4,000万円となります。仮に会社の保有する土地に2億円の含み益があるとしても、20日の申立期間を徒過すれば、売買価格は前者の4,000万円に確定いたします。もっとも、裁判所が定める売買価格は一切の事情を考慮して定められるものですので(会社法第144条第3項)、申立てをすれば特定の数値が認められるという趣旨ではありません。

第5節 断られた後に整理すべき資料と事実

表3 整理していただきたい事項

区分 確認する事項 確認の手がかり
株式の内容 保有株式数、発行済株式総数、持株比率、種類株式の有無 株券、株主名簿、登記事項証明書
取得の経緯 出資、従業員としての取得、相続、贈与、売買のいずれか 払込みの記録、持株会規約、遺産分割協議書
会社の定め 譲渡制限の有無、承認機関、売渡しの請求の定め 定款(会社法第31条第2項)
財務の状況 直近3期程度の計算書類、純資産、利益、現預金、配当の有無 計算書類等(会社法第442条第3項)

計算書類及びその附属明細書については、株主は、営業時間内はいつでも閲覧又は謄本の交付等を請求することができます(会社法第442条第3項)。会社は、定時株主総会の日の1週間前(取締役会設置会社にあっては2週間前)から5年間、これを本店に備え置かなければなりません(同条第1項)。この請求には持株比率の要件がなく、1株でも有していれば請求することができますので、最初に検討すべき手段です。定款、株主名簿及び株主総会の議事録についても閲覧謄写を請求することができます(会社法第31条第2項、第125条第2項、第318条第4項)。

より詳細な会計帳簿及びこれに関する資料(総勘定元帳、勘定科目内訳明細書等)については、総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主又は発行済株式(自己株式を除きます)の100分の3以上の数の株式を有する株主が、その理由を明らかにして閲覧謄写を請求することができます(会社法第433条第1項)。ただし、同条第2項に拒絶事由が定められており、株主の権利の確保又は行使に関する調査以外の目的による請求、株主の共同の利益を害する目的による請求、実質的に競業を営む者による請求などは拒絶されますので、請求すれば必ず開示されるというものではありません。取締役会議事録については、権利行使に必要なときに裁判所の許可を得て請求いたします(会社法第371条第2項、第3項)。

資料がそろっていない段階でも検討を開始することはできます。むしろ、資料がないことを理由に何もしないまま年数が経過し、その間に相続が発生して権利関係がさらに複雑になる例のほうが問題です。相続が生じますと、遺産分割が終了するまでの間、株式は共同相続人の準共有に属し、権利を行使する者一人を定めて会社に通知しなければ原則として権利を行使することができません(会社法第106条)。この点について、最高裁判所平成27年2月19日第一小法廷判決は、共有に属する株式についての議決権の行使は、特段の事情のない限り、各共有者の持分の価格に従いその過半数で決せられる旨を判示しております。

第6節 価格の見当をつけることが次の前提になります

会社に買取りを断られた方の多くは、価格の話に入る前の段階で止まっておられます。しかし、買取りを検討してもらうためには、いくらであれば売却する意思があるのかについて、株主側にも根拠が必要になります。

非上場株式の価格に、一つの正解が決まっているわけではありません。財産評価基本通達に基づく相続税評価額、簿価を基礎とした金額、時価純資産法、収益還元法、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法、配当還元法、類似会社比較法による価額、裁判所が売買価格を決定する場合の価格は、それぞれ目的も前提も異なります。

とりわけ誤解が多いのは、相続税の申告のために計算した金額がそのまま売買価格になるという理解です。財産評価基本通達は、課税の公平と徴収の便宜のために画一的な計算方法を定めたものであり、株式の価値そのものを測るために作られたものではありません。したがって、「相続税評価額がこの金額であったので同額で買ってほしい」という申入れも、会社側が「相続税評価額がこの金額であるから適正である」と説明することも、いずれもなぜ売買価格の基準となるのかを別途検討することを要します。先の仮設例の800株についても、簿価純資産を基礎とすれば4,000万円、土地の含み益を反映した時価純資産を基礎とすれば5,600万円、配当還元方式による相続税評価額を基礎とすれば数百万円という具合に、依拠する考え方によって数値の幅は大きく異なり得ます。

なお、最高裁判所平成27年3月26日決定は、非上場会社について会社法第785条第1項に基づく反対株主の株式買取請求がされ、裁判所が収益還元法を用いて株式の価格を決定する場合には、非流動性ディスカウントを行うことはできない旨を判示しております。相対の任意取引においては当事者の合意により価格が定まりますので、この議論がそのまま妥当するわけではありませんが、会社側の算定において控除率が根拠なく設定されている場合には、その点を確認する意味があります。

第7節 弁護士に依頼する意味

株主本人が繰り返し申し入れても事態が動かない場合、その原因は熱意の不足ではなく、検討の枠組みが共有されていないことにあります。会社側は、誰の判断で、どの手続により、いくらで、どの財源から買い取るのかが具体化しない限り、意思決定に至りません。

弁護士は、株主本人の代理人として、法律上の位置付けの整理、資料の請求、株価の検討、会社との交渉、必要に応じた裁判手続を行います。これが株式買取業者との最も大きな違いです。株式買取業者は株式の買手であり、株主本人の代理人ではありません。買手は取得価額が低いほど利益が大きくなる立場にあり、株主本人と利益の方向が一致いたしません。大阪高等裁判所令和6年7月12日判決(上告棄却により確定)は、株式買取業者に対する非上場株式の譲渡契約について、他人の権利を譲り受けてその実行をすることを業とすることを禁ずる弁護士法第73条に違反し、無効であると判断いたしました。これをもって業者一般が違法であると申し上げるものではありませんが、具体的な業務態様によっては法的問題が生じ、裁判例において違法性が認定された事例があるということです。

また、株式譲渡承認請求の手続に進んだ場合には、表2のとおり短い期間が連続いたします。とりわけ売買価格の決定の申立てには供託を証する書面の交付の日から20日という期間が定められており(会社法第144条第2項)、これを徒過すると1株当たり純資産額を基礎とする金額に確定いたします(同条第5項)。手続の選択と時期の判断は慎重に行う必要があります。

よくあるご質問

質問1 一度断られた後に、再度同じことを申し入れてよいのでしょうか。

法律上、申入れの回数に制限はありません。もっとも、同じ内容を繰り返しても会社側の判断材料は増えません。対象株式の特定、価格の考え方、手続の道筋が示されているかを確認し、前回との違いを説明できる状態を整えてから改めて検討されることをお勧めいたします。

質問2 会社が決算書を見せてくれません。それでも相談できますか。

ご相談は可能です。計算書類及びその附属明細書は持株比率の要件なく閲覧等を請求することができ(会社法第442条第3項)、会計帳簿については100分の3以上の要件と拒絶事由があります(会社法第433条第1項、第2項)。どの資料を、どの根拠により求めるかの検討自体が、ご依頼後の業務に含まれます。

質問3 会社ではなく社長個人に買い取ってもらうことはできますか。

会社による自己株式の取得のほかに、大株主や代表者個人が買主となる方法もあります。個人が買主となる場合には会社法第156条以下の手続や第461条の規制は及びませんが、買主の資金調達という問題が生じます。譲渡制限株式であれば、譲受人を特定した上で株式譲渡承認請求の手続を経ることになります。

質問4 会社が「分配可能額がないので買い取れない」と説明しています。

会社が自己株式を取得する場合に分配可能額による規制が及ぶこと自体は、そのとおりです(会社法第461条第1項第3号)。もっとも、分配可能額は剰余金の額を基礎として算定されるものであり(会社法第446条、第461条第2項)、現預金の残高とは異なります。取得の時期を分ける方法、会社以外の買主を検討する方法もありますので、説明の根拠を確認した上で検討いたします。

質問5 解決までにどのくらいの期間がかかりますか。

事案によって大きく異なります。会社の対応、資料の有無、株価に関する見解の隔たり、裁判手続に至るか否かによって変わります。見通しは初回のご相談時に事案に即してご説明いたします。

交渉手法の詳細について

具体的な交渉方法は、株主構成、財務状況、株価、従前の経緯等により異なり、当事務所が個別案件を通じて蓄積してきた実務上のノウハウにも属するため、本ページでは詳細を開示しておりません。

弁護士法人M&A総合法律事務所へのご相談

弁護士法人M&A総合法律事務所(代表弁護士 土屋勝裕)では、非上場株式・少数株式について、株主側の代理人としてご相談をお受けしております。当事務所は株式を買い取る立場ではなく、株主の方が株式を保有したまま、会社又は大株主との任意の買取交渉、株価の検討、必要に応じた裁判手続を行うものです。

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ご相談の際に、株券、定款の写し、株主名簿の写し、直近3期分の決算書、配当に関する資料、株式を取得した経緯が分かる資料、会社と取り交わした書面をご用意いただけますと検討が早く進みます。これらがお手元にないことを理由にご相談をお断りすることはありません。なお、売却に伴う課税関係は買主及び譲渡の形態によって異なる場合がありますので、具体的な税務上の取扱いについては税理士にご確認ください。

過去の取扱い実績は将来の結果を保証するものではありません。

本記事の根拠条文・裁判例

会社法

  • 第127条(譲渡の自由)、第107条第1項第1号・第108条第1項第4号(譲渡制限株式)、第106条(共有者による権利の行使)
  • 第136条から第145条まで(譲渡等承認請求。第138条の請求事項、第139条の決定及び通知、第140条の買取りの決定、第141条・第142条の通知及び供託、第143条の撤回の制限、第144条の売買価格の決定、第145条のみなし承認)
  • 第155条第3号、第156条から第160条まで、第162条、第164条(自己株式の取得、特定の株主からの取得、売主追加請求)
  • 第116条・第117条、第182条の4、第192条、第469条・第470条、第785条・第797条・第806条(法律上の株式買取請求権)
  • 第31条第2項、第125条第2項・第3項、第318条第4項、第371条第2項・第3項、第433条第1項・第2項、第442条第1項・第3項(定款、株主名簿、議事録、会計帳簿、計算書類等の閲覧等)、第297条、第303条、第847条(株主の権利)、第309条第2項第1号・第2号(特別決議)
  • 第446条、第461条第1項第1号・第3号及び第2項、第462条第1項、第465条第1項(分配可能額による規制及び責任)

会社法施行規則 第26条第1号・第2号(会社40日、指定買取人10日)、第28条(売主追加請求に関する通知)

弁護士法 第73条(譲り受けた権利の実行を業とすることの禁止)

裁判例 最高裁判所平成27年2月19日第一小法廷判決(共有に属する株式の権利行使者の指定)、最高裁判所平成27年3月26日決定(収益還元法による価格決定における非流動性ディスカウントの不考慮)、大阪高等裁判所令和6年7月12日判決(上告棄却により確定。株式買取業者に対する株式譲渡契約について弁護士法第73条違反による無効を判断)

その他 財産評価基本通達(課税価格の計算のための評価)

内部リンク

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